平成27年(2015年)12月に「清流長良川の鮎」が世界農業遺産に認定されました。
長良川は流域に約86万人の人口を抱え、都市部を流れる川でありながら、流域の人々の暮らしの中で清流が保たれ、その清流で鮎が育っています。清流と鮎は地域の経済や歴史、食・文化と深く結びついています。こうした人の生活、水環境、漁業資源が密接に関わる里川(さとかわ)全体のシステムを「長良川システム」として捉えているのが特徴です。
世界農業遺産とは
About GIAHS
正式にはGlobally Important Agricultural Heritage Systems(GIAHS:ジアス)といいます。その土地の環境を生かした伝統的な農林水産業や、生物多様性が守られた土地利用、農村文化や農村景観などが一体となり、維持保全が図られている世界的に重要な地域を後世に引き継ぐことを目的として、2002年にFAOにより創設されました。
世界農業遺産の認定状況
-
チロエ農業
/チリ
ジャガイモの原産地として知られるチロエ島では、200種類以上のジャガイモが、主に女性によって栽培されています。珍しい動物や植物もたくさん見られます。
-
カシャーンのカナート灌漑システム
/イラン
乾燥地域のイランでは、紀元前800年ころから、地下水路を作って水の蒸発を防いで作物を栽培しています。
-
青田の水田養魚
/中国
およそ2000年前から、水田でイネといっしょに魚を育てています。魚は雑草や害虫を食べ、イネに養分を与え、泳ぐことで水田の土をやわらかくしてくれます。
-
アグロフォレストリーシステム
/タンザニア
熱帯雨林気候で日差しが強いため、一番上に樹木で日陰を作り、その下でバナナ、次にコーヒーを育て、一番下では野菜を栽培するという工夫をしています。
日本国内の世界農業遺産
日本では、岐阜県、新潟県、石川県、静岡県、大分県、熊本県、和歌山県、宮崎県、宮城県、徳島県、山梨県、滋賀県の15の地域が世界農業遺産に認定されています。(令和6年10月時点)
認定までのあゆみ
Newsページの過去記事で、認定までの道のりをご覧いただけます。
GIAHS(ジアス)鮎の日
GIAHS Ayu Day
毎年7月第4日曜日は「GIAHS鮎の日」
-
平成27年12月に「清流長良川の鮎」が世界農業遺産に認定されたことを記念して、世界遺産の意義や県が誇るべき「長良川システム」を県民に認知していただくとともに、清流の象徴である県魚「鮎」に対する関心を高めていただくことを目的に、7月の第4日曜日を「GIAHS鮎の日」として制定しました。
毎年「GIAHS鮎の日」には、清流や鮎に親しむ様々なイベントを実施しています。
第8回東アジア農業遺産学会(ERAHS エラス)の開催
2024年8月8日(木)から9日(金)まで、岐阜県で第8回 東アジア農業遺産学会(ERAHS ※)が開催されました。
※ERAHS:East Asia Research Association for Agricultural Heritage Systems
第8回のテーマは「次世代へ繋ぐ農業遺産 ~伝統的な農林漁業と文化~ 」でした。
8日(木)は、日本・中国・韓国の研究者や専門家、関係者などが多数集まり、研究成果や取組成果の発表を行いました。
翌日9日(金)は、長良川システムの理解を深めていただくため、エクスカーションを実施しました。
詳細は以下のページをご覧ください。