清流長良川の鮎とは
Ayu of the Nagara River
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清流長良川の鮎とは
川に息づく生き物たち
Aquatic creatures living in the river
鮎だけでなく、太平洋から遡上するサツキマスやモクズガニ、特別天然記念物のオオサンショウウオや天然記念物のネコギギなど、生物多様性が保たれています。
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オオサンショウウオ
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サツキマス
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モクズガニ
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ネコギギ
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ウシモツゴ
長良川の生き物たち
長良川の源流から河口まで、周辺の支流や水田も含め、およそ100種の魚類が生息しています。昆虫や植物、鳥や動物を含めると、もっとたくさんの生き物が暮らしています。
【上流】
長良川の源流域は、冬には雪深い森に囲まれる山間部にあります。大きな岩の間を縫うような流れには、イワナやアマゴなどの渓流魚と呼ばれる魚が生息します。昆虫やミミズなどを食べ大きく成長する渓流魚は、豊かな森からもたらされる恵みの一つです。
【中流】
長良川の中流域には、長良川の水を利用した田畑が広がります。川幅は広くなり、川の流れは瀬と淵が連続し、多様な景観が見られるようなります。川にすむ生き物も多くなり、アユやウグイ、特別天然記念物のオオサンショウウオなどさまざまな生物相が見られ、水田周辺の水路にも、淡水生の2枚貝やタナゴ類など、人間の生活に身近な生き物が増えてきます。
【下流】
河原の石も小さく、川の流れも大きく太くなる下流域は、都市部を流れながらも、清い流れを保ちます。伊勢湾が近づくにつれ、ヨシノボリやアユカケなど海から遡上する魚も、目にするようになります。
生物多様性を守る理由
すべての生き物は、食べる・食べられるという食物連鎖のなかにあり、こうした生き物同士の関係によって複雑な生態系のバランスは維持され、自然の環境が成り立っています。
しかし、現代では外来生物の侵入によって、在来種の生存がおびやかされたり、病気が発生したりする問題が懸念されています。また、都市化にともなう流域の開発などによって環境が悪化し、生き物の生息場が奪われてしまう可能性もあります。川の中だけでなく、陸域の変化からも、生き物の暮らしは影響を受けるのです。
いろいろな生き物がたくさんいる状況は、多様な環境をつくります。そうしたなか、自然と人との長年にわたる営みから固有の伝統文化や生活習慣が育まれ、私たちの暮らしを豊かなものにしてきました。生き物の多様性を守ることは、私たちの社会と暮らしを守り、次世代に継承していくことにもつながります。自然と人とをつないできた長良川に、多くの生き物が暮らしていることを忘れず、環境を守り続けていく努力がこれからも必要なのです。